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第8回 蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜を通して感じる、繋がりと尊さ

高木 美由紀

 

 今や昆虫食というものもいろいろ出てきているけれど、虫と食べ物と言って思い浮かぶのはやっぱり蜂蜜。蜂蜜は栄養豊富で、昔から薬としても使われてきた。だから体や心の調子が良くなかった昔は、毎日朝晩スプーン1杯の蜂蜜を舐めていた。そのせいか今ではもうすっかり健康で、毎日舐めるということはない。でも料理やお菓子作りによく使うし、喉を痛めたり、ちょっと調子が悪い時には薬代わりに舐めている。その時に、じゃあ蜂蜜ってどうやってできているのか、気になっていろいろ本も読んだりした。ちなみに、子どもの頃は蜂蜜は花の香りが強くてあまり好きではなかった。安いメーカーのものだったこともあるし、花を食べることに違和感や先入観があったからかもしれないけど。でも実は蜂蜜って、単純に花の蜜を集めただけのものではない。ミツバチと花がそれぞれあって、初めて生まれるもの。その手助けをするのが養蜂家。1匹の蜂が集める蜂蜜はその一生でスプーン1杯程度。基本的には大人しいけれど、己の身に危機が迫れば命を懸けて刺して守ろうとする。養蜂家も常に刺される危険と隣り合わせ。まさに共に命懸けで生み出される食べ物。そしてその食べ物が薬となり食となり、命を繋ぐ。そう考えると何だか深くて、尊い。やっぱり蜂っていうと、刺すイメージがあって怖いと思ってしまう。スズメバチはもちろん、ミツバチだってアナフィラキシーショックで死んでしまう危険もある。でもフランスでは、養蜂が趣味として結構メジャーなものになっている。やっている人はともかく、そうでない人も慣れていて、傍を飛んでいても怖がることはなく、むしろ楽しんでいる感じすらある。すごく蜂に対して寛容な国。それは蜂蜜の消費量が多いからなのかもしれないし、花の都と呼ばれるほど、花を愛しているからなのかも。植物と虫は切っても切れない関係にある。花から花へ飛び回る蜂は、実は植物の受粉の手助けをしたり、作物の害虫を食べてくれたりもしている。そうやって、知らないところで私たちにとっても良い働きをしてくれている。そんな繋がりがある。自然環境が大切、景観を美しく、緑を大切に。そうは言っても一方で、危険だから邪魔だから嫌いだからと、むやみに虫を殺している。でも一方的に怖がったり悪と決め付けずに、それがもたらすものを全体的に考えて、そこまで騒ぎ立てず寛容な心を持って蜂を始めとする虫と接していきたい。

 

(完)

 

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